能登半島の奥地までジェラート食いに行った話(後編)
[前編のおさらい]
ジェラート食いに行った帰りにちばチャリ死亡
「なんてこった、まさか、ここでチャリがパンクするとは…」
今までの長距離旅(金沢、能登島)ではチャリがパンクすることはなかったので完全に油断をしていた。そのためパンク修理セットなんてものは持ってきてなかった。
「うーわ、マジでどうしよう…」
この時点で富山市まで60〜70キロほど。歩いて帰るとなると1日以上かかる。それはごめんだ
「とりあえずここでクヨクヨしててもしょうがない。チャリ押しながら1メートルでも先に進むか」
パンクしたチャリを押しながら西岸駅を出発。とりあえず七尾市中心部を目指すことにした。七尾市中心部に行けばワンチャンチャリを修理できるし、もしかするとヒッチハイクで富山まで行けるかもしれないと考えたからだ。
夜道をチャリ押しながらノロノロ歩くこと数十分、コンビニにたどり着いた。とりあえずそこのコンビニで朝飯を買いエネルギー補給をした。
この時俺は閃いた。
「ここのコンビニならヒッチハイクいけるんじゃね?」
というわけで早速コンビニに止まってたトラックに突撃
「あ、すいませ〜ん(爽やかスマイル)!どちらまで行かれます?僕ちょっとチャリで旅してるんですけどチャリパンクしちゃって笑。僕富山に行きたいんですけど富山方面に行かれるのでしたら乗せていただきたいなぁと思いまして!」
「あ〜、ごめんね〜荷物いっぱいなんだわ」
「あ、そうでしたか〜いや〜すいません!失礼しま〜す」
初戦敗退である。現実は甘くない
どうするかな〜とコンビニに戻り店内うろうろしてまた外出た次の瞬間、遠くから車がやってくるのが見えた。猛烈ダッシュで道路の脇に駆け寄りよく見るヒッチハイクする時のポーズをやった。近づいてきた車はトラックだった。トラックは最初速度を緩めなかったがだんだんと緩め、とうとう俺の目の前に止まった
「おう、どうしたん?」
トラックのおっちゃんが言った
「いや〜すいません(爽やかスマイル)!僕今チャリで旅してるんですけどチャリがさっきパンクしてしまいまして〜!乗せていっていただけないかなぁと思いまして!」
おっちゃん「あ〜すまんのぉ。助手席今荷物でいっぱいなんだわ。乗せたいのは山々だがな。ちなみにどこまで行きたかったの?」
「富山まで行きたいんですけどそっち方面行かれます?」
おっちゃん「俺金沢方面なんだわ。金沢でいいなら乗せられるかもしれないんだけどなぁ」
「あ〜、そうですか。いやあすいません引き止めてしまって!本当にありがとうございました!」
おっちゃん「こっちこそすまんな。頑張れよ!」
そう言っておっちゃんは去っていった。しかしこれで希望が生まれた。
世の中にはヒッチハイクに答えてくれる優し人がいるんだ。
つまり下手な鉄砲数打ちゃ当たる理論使えばいつかは乗せてくれる人に会えるってわけだ。
というわけで気を取り直してとりあえずコンビニ出発し、七尾市中心部に向かった。途中何度も俺を追い越していった車に対してヒッチハイクをするも基本スルー&さらに先にあったコンビニでもヒッチハイクチャレンジするもあえなく失敗。
「やはり現実は甘くねえな」
なんてことを考えながら数キロほど歩いた時、また車が近づいてきたのでほぼヤケクソ状態で例のヒッチハイクポーズをやった
「どうせこの車もスルーするだろ」
予想通り俺を無視して速度緩めずに俺の真横を通り過ぎた。
「ほうら、やっぱりな」
と思った次の瞬間、何とその車が前方20mくらいのところで止まったのだ‼︎
「うお‼︎マジか神様ありがとう‼︎‼︎」
俺はチャリを押しながら全力でその車に駆け寄った
おっちゃん「おうどうした?」
「いや〜すいません(爽ry)!僕今チャリ旅してるんですけどチャリがパンクしてしまって、途中まで乗せていただきたいなぁと思いまして。ちなみにどちらまで行かれるつもりでした?」
おっちゃん「いや、ちょっとそこまで卵買いに。君はどこ行きたいの?」
「とりあえず七尾市中心部まで行きたいなぁと」
おっちゃん「おおいいよ。乗りな」
まさかのヒッチハイク大成功である。捨てる神あれば拾う神あるんだなぁとしみじみと実感した
しかし乗るにあたって問題が1つあった。チャリをどうするかだ。おっちゃんの車は少し小さめのものだったためチャリがどうしても積めない
おっちゃん「う〜ん、入らんなぁ。どうするか…あ、そうだ!ちょっと君先助手席に座って」
「あ、はい」
指示に従い助手席に座る
おっちゃんは車の後ろのドアを開け、そこにチャリを突っ込んだ。
おっちゃん「君、チャリのどこか掴んでて」
「あ、はい」
俺はチャリのハンドルを掴んだ。おっちゃんは後ろのドアを閉めずにそのまま運転席に座った
おっちゃん「よし、このままチャリ押さえながら行くぞ」
お い ち ょ っ と 待 て
いくらなんでも破天荒すぎやしませんか?後ろのドア開けっぱですよ?正面から見たら分からないけど後ろから見たらチャリが「こんにちは」してますよ?これ大丈夫?警察来たらやばくない?
ツッコミどころ満載だがツッコまれてるのはチャリだけにしとこうと思い何も言わなかった
おっちゃん「警察来ないこと祈るばかりだな!ガハハ!まあ、こんな夜中にいるわけないと思うけどな!」
「そうですね〜」
豪快にも程がある。でもマジでありがたかった。マジで警察くるんじゃねえぞと祈りながら出発
この時点で七尾市中心部まで10キロあった。この間おっちゃんとこの旅の話、大学の話、その他諸々色々話した
おっちゃん「若いっていいねえ。そういう無茶できるのは若いうちだけだからな」
「そうですね〜」
そんな話をしながらチャリを片手で押さえながら10分ほど走って七尾駅に到着。駅に到着する頃にはもう腕がプルプルしててあと少し遠かったら間違いなくチャリは車から落ちていただろう。そんなレベルだった
「本当にありがとうございました‼︎‼︎」
おっちゃん「おう、気をつけてな」
俺はおっちゃんの車が見えなくなるまで深々とお辞儀をした。人の善意ってやつに触れた。俺もこういう風に人に親切にしていきたいなぁと思った。
気を取り直して、さあ、ここからどうするか。どう帰るか。Twitter上であーだーこーだ呟いていたら道の駅とかそういうところならヒッチハイク成功率高いんじゃないかという情報を得た。よし、これだ。パンクしたチャリを押しながら道の駅能登食祭市場を目指した
歩いて数分、道の駅に到着。止まってる車はあまりいなかったがひたすら突撃してみる。そして惨敗に終わる。そんなことをずっとしてた。場所を変えて七尾駅前でやってみたり大きな道路でやってみたりもしたが漏れなく惨敗。ぴえん
結局道の駅に戻ったが、戻る頃には朝日が登っていた
なんか車の数増えてたのでこれ幸いにと突撃しまくる。
「あ、すいませ〜ん(ry)!どちらまで行かれますか?僕ちょっと(以下略)」
おっちゃん「あ〜、すまんの〜、俺富山と反対方向なんだよなぁ〜。富山方面なら乗せてやったんだけどなぁ〜」
「あ〜そうすか〜〜」
その後このおっちゃんとはなんやかんやで意気投合しいろんな話をした。途中、新潟に向かう車があったけど数分前に出ていったことを教えてもらった。タッチの差であった。惜しかった…そして最後に
「今君の持ってるペットボトル、ほぼ中身入ってないやん!ほれ、この水やるよ。頑張れよ!」
なんか水もらった
人の善意ってやつに触れた(本日2回目)。人間、捨てたもんじゃないなと思った(何目線だよ)
一向にヒッチハイクは成功しないし部活の時間は近づいてるしかなりやばい状況だった。
チャリを置いて電車で帰るか
部活休んでチャリ直して帰るか
究極の選択だった。
結論としては電車で帰ることにした。七尾駅にチャリを置き、セブン銀行から金を下ろし切符を買って電車に乗った
さらば七尾市。またチャリ取りに戻る
こうして俺は七尾市を後にした
ちなみにこの時ふと気づいたが、俺の服は汗が乾燥して塩が浮き出ていた
どれほどこの旅が過酷だったかがよく分かる。その後俺は部活に間に合い、部活をし、ゆっくり休息を取って翌日また電車で七尾市に向かい、チャリを修理し、
雨降る中
カッパ着て富山に帰ってきた
で、その後旅のシメとして10キロチャリ漕いで魂心家に行くというアホなことをした。旅終えた後の魂心家が美味いこと美味いこと
[結論]
人に親切にしようね!あとパンク修理セットは必須だよ!
終わり‼︎