俺の青春と恋の話(中1〜中2まで)

[前回までのあらすじ]

楓に超変化球な告白した数ヶ月後くらいに楓から告白されるもパニくって台無しにする

 

 小学校卒業を控えた3月11日、僕らは東日本大震災に見舞われた。内陸部に僕らは住んでいたため津波の被害はなかったが、それでも家がダメージ受けたりガス管が破裂したり停電したりとそれなりに被害を受けた。僕はこの地震によって今までの日常が全部壊れ、映画とかでよく見る荒廃した世界で生きていくことになるのかもしれないと思っていた。つい1ヶ月前に思い描いていた中学校生活を過ごせず、さらに友達や楓もみんなバラバラに散って、もう会えなくなるんじゃないかととても不安だった。

 しかし、そんな不安は杞憂に終わり、4月には何とか中学校に入学することができた。そして、もちろん僕を含む新入生の中に楓の姿もあった。こうして僕らの中学校生活が始まった。

 

 楓と同じクラスがよかったが、残念ながら楓とは隣のクラスとなってしまった。しかし、体育などでは隣のクラスと合同で授業するため、楓との接触チャンスはそれなりにあったのは不幸中の幸いだった。また、楓とは家が近いこともあり、帰り道でよく会った。そんな時は「テストやばい」とか「部活大変だけど楽しい」だとか色々と雑談をしながら帰った。

 ある冬の日、また楓と帰り道ばったり会ったため雑談しながら帰っていた。

 

「そういえば体育のマット運動カッコよかったよ」

 

この時体育ではマット運動をやっており、体操部である僕らは見本になったり先生から「好きなことやっていいよ」とのお墨付きをもらったので普通にバク転だとか宙返りだとか部活中と遜色ないくらいの動きをして文字通り無双していた。楓とは前述の通り体育の授業は一緒に受けていたため、楓は僕のことを見ていたのだ。

 

「お、おう、ありがとう」

 

少し照れながら僕は言った。

 

 そんなこんなで2年生に上がった。このクラス替えで楓とは同じクラスでも隣のクラスでもなくなり、ほぼ完璧に関わりが途絶えてしまった。

ように思えたが、なんと楓は以前は演劇部に所属していたにも関わらず2年の春から体操部と同じく体育館を練習場所とするバドミントン部に転部したのだ。これには非常に驚いた。最初楓をバドミントン部の中で見かけた時は「他人の空似か?」と思ったが、何回も注意深く見てみるとやはり紛れもなくその子は楓であった。そこで僕は思わず話しかけた。

 

「転部したんだ」

 

「うん」

 

非常に短い会話だった。そしてこの2年の春くらいから楓との間に距離を感じる様になった。最初、この距離は何なのかよく分からなかったが、後々思春期によるものっぽいと思う様になっていった。そしてこのようにちょっと距離を感じながら過ごした2年夏休み前の部活中、ふと僕はあることに気づいた。僕の中学校の体育館の扉は面積で言えば半分くらいの広さで透明なエリアが存在する扉であった。ふと部活中にその扉の前に次に体育館を使う予定であったバド部が集まってるのに気づいた。バド部、つまり楓がいる部活である。だから僕は「楓いるかな〜」とちょっとチラッと見てみた。すると楓は扉からこちらをガッツリ見てた。

 

「マジか」

 

好きな人がこちらを見てる。これ以上に頑張らない理由があるだろうか?いや、ない。楓がこちらを見てる時、僕は通常の3割り増しくらい練習し、後輩にも熱心に指導した。

 

 そして季節は夏に差し掛かった。ある日、ちょっと急ぎの用があって武道館から体育館に向けて走っていたら、水飲み場で水を飲む楓の姿が目に入った。体育館に向かうにはその水飲み場の側を通る必要があったため、「あ、楓じゃん」と心の中で呟きながら水を飲んでる楓の後ろを走り抜けようとした。すると水を飲み終わった楓がちょうど顔を上げてこちらに気づいた。そして、バッチリ目が合った。そのままお互い目を離さずに僕はスピードを緩めずに楓の側を走った。僕が楓の真後ろに差し掛かる頃、お互い同タイミングで「ニコッ」と笑った。そしてそのまま僕は後ろの楓に目もくれず、体育館に入っていった。

 

「なんだ、距離が出来たように感じてたけどやっぱ変わってないじゃん」

 

この出来事から僕は僕らの間にまだ好意がありそうだと感じた。

 

そして夏休みが終わり、季節は秋に差し掛かった。残暑がまだちょっと厳しいある日、僕は手洗い場で雑巾を洗っていた。

 

「よし、あとちょっと洗えば綺麗になるな」

 

そう思いながらゴシゴシ洗ってたら後ろから女子3人組の声がした。そしてそのうちの1人の声の主は楓だった。

 

「お、楓じゃん。こっちの手洗い場に来るなんて珍しいな」

 

そんなことを思いながら僕のすぐ隣に来た楓たち3人組をチラッと見ながら教室帰るかと思い、雑巾を絞ったその時だった。

 

「え〜、楓ちゃんって彼氏いないの?」

 

僕はその3人組の1人がその言葉を発した瞬間、蛇口を開け、雑巾を濡らし、もうすでに綺麗になったはずの雑巾を再度洗い始めた。洗いながら横を見ずにバクバクと高鳴る心臓を抑えながら必死に楓の次の発言に聞き耳を立てた。

 

「彼氏はいないよ〜」

 

その瞬間、僕はホッとした。

 

「でも好きな人はいるんだ〜」

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおお⁉︎⁉︎⁉︎(心の中の叫び)」

 

その瞬間、僕の心の中のテンションは最高潮に達し、すでに綺麗な雑巾をこれでもかと擦りまくった。

 

「え〜、だれだれ〜?」

 

「秘密〜」

 

そんなことを言いながら楓含む女子3人組は手洗い場を離れて行った。そして僕は彼女らの声が聞こえなくなるまですでに綺麗になったはずの雑巾をこれでもかと洗いまくってた。そして、声が聞こえなくなると同時に雑巾を絞り、後ろを向いた。そこにはもちろん既に楓たちはいなかった。楓のクラスのことは分からないが、それでも夏のあの水飲み場での出来事や俺が部活やってる時に扉から覗いてくるなどの証拠をもとに考えると、楓の好きな人は俺である可能性が高いように感じた。

 

そう、「まだ」僕らは両思いなのだ

 

その確信を胸に、この日の部活の帰り道、僕は軽くスキップしながら帰った。

 

そして秋が過ぎ、冬を迎えた。相変わらず楓は部活の際に扉からこちらを見ており、その度に僕は頑張った。そんなある日、たまたまいつも家を出る時間より遅く家を出てしまった。遅く家を出たとは言え余裕で朝のチャイムまでには間に合う時間ではあった。

 

「明日からは気をつけよ〜」

 

そんなことを思いながら登校してたら、なんと通学路で楓を見かけた。そして驚くべきことに、楓の使っていた登校ルートは明らかに遠回りなルートであった。楓の家から中学校まで行くならその道を通る必要は全くなく、逆に信号を余分に通過するわかなり遠回りだわでわりとギリギリのこの朝の登校時に通るのは非合理的であった。最初は「友達に合わせてるのかな」と思ってたが、よく見ると楓は中学校に着くまで1人で登校してた。

 

「おや?おかしいぞ?」

 

僕の頭にふと疑問が生まれた。友達と一緒に来るため遠回りしてるわけではないし、わざわざ遠回りするメリットがない。しかし、この時ある可能性が頭に浮かんだ。それは

 

「僕に会うため遠回りをしている」

 

これが手持ちの情報を用いて出した解答の中で最も納得のいくものであった。実際、そのルートを通ると僕と少しではあるが登校ルートが被る。なぜ楓が僕の登校ルートを把握したのかについては何回か一緒に帰ってるため、その帰り道のルートをそのまま使ってると考えたからというものが考えられた。つまり、楓は僕と少しでも一緒にいたいと考えているかもしれない、そんな可能性が頭をよぎった。それからというもの、僕は以前より遅めに出て、楓と会話はしないものの同じ通学路を歩いた。

 

年も明け、3年生、つまり高校受験が目前に迫ってきた。そして僕は薄々と感じてはいたが、県外の高校を第一志望とすることになった。つまり、仙台での生活、そして楓と会えるのもあと1年しかなくなった。僕は決意した。

 

「3年生のうちに楓に告白する」

終末のワルキューレ8巻感想(ネタバレあり)

*注:ネタバレするので未読の方は今すぐ立ち去ることをオススメします

 

 

 

今日やっと買いましたよ終末のワルキューレ8巻‼︎もうこの日が来ることを一日千秋の思いで待ってましたよ‼︎‼︎

 

7巻で第5回戦の対戦カードがシヴァVS雷電為右衛門って知ったときは

 

「そうきたか〜〜〜〜〜‼︎‼︎」

 

って思いましたね。正直シヴァと当たるのはラスプーチンだと勝手に思ってました。なぜならラスプーチンは毒食らっても撃たれてもロシアの冬の川に投げ込まれても凍死しなかった(川に投げ込まれたから溺れ死んだ)という最強の耐久性能を誇る逸話待ちですから

 

破壊神VS人類史上最強の耐久

 

というアツい戦いになるのかなぁと思ってましたがまさかのガチ肉弾戦というもっとアツい戦いでウホウホでござるよ

 

 

*前置きが長くなりましたがここからが感想です

 

最初言わせて

 

ジャック………ッッ‼︎‼︎‼︎ヘラクレス………ッッ‼︎‼︎‼︎(泣)

 

ヘラクレスが天に登っていく様子を見るジャックのなんと哀しそうなことかッッッッ‼︎‼︎‼︎(泣)

 

「愛」を知らなかった殺人鬼に生まれて初めて正真正銘の「愛」を教えてくれたヘラクレスをこの手で殺めたジャックッッッッ‼︎‼︎‼︎(泣)

 

ジャックの

 

「これは_____…私が識らない感情です…」

 

でもう号泣もんっすね

 

その後のフレックちゃんの

 

「哀しい時に哀しい顔ができないなんて……あんたって本当に可哀想な人な」

 

というセリフの後のジャックッッッッ‼︎‼︎(語彙力死亡)

 

リングを後にするジャック

 

ジャック「もし__願いが叶うなら__…」

 

「もう一度…あなたに逢いたいです」

 

ジャァァァァァァァックッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

 

もう泣ける。というか泣いた

何この漫画、勝者も敗者も神も人間も正義の味方もクズも誰も彼も最後には株バカ上げしてくんじゃん…無理最高…

 

そんなジャックに物を投げつける神様陣営

 

痛いほどわかるよその感情ッッッッ‼︎‼︎‼︎

 

でもジャックのこと知っちゃったから俺は石を投げられないッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎

 

なんだこの感情俺も識らないわ…

 

アレス兄さんいい泣きっぷりっス……多分人のこと言えないけど………いや、この場合神か………

 

ゼウス様激おこじゃないっすか……そりゃ2連敗食らったらねぇ

 

ゲルちゃん分かるよ普通そうなるよね……

 

人類の為にヘラクレス兄様を殺したヒルデ姉様……ッッッッ‼︎‼︎‼︎握り締めた拳から血が……ッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎ヒルデ姉様ッッッッ‼︎‼︎‼︎(泣)

 

そしてヒルデ姉様は死んでいった人類側の闘士達が祀られてる部屋へ

 

アダムや呂布と共にヘラクレス兄様を祀るヒルデ姉様

 

ヒルデ姉様ッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎(号泣)

 

やっぱ本心は親しいヘラクレス兄様を殺したくなかったんスねッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎泣き顔美しくあられますッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎(号泣)

 

場所は変わって人類側闘士控えの間

 

沖田総司小っこッ⁉︎⁉︎⁉︎

 

というかもう出てくるんかい沖田総司。早くね?次雷電だよね??なぜこのタイミングで出てきた????

 

場面変わってヒルデ姉様雷電の元へ

 

雷電でっか‼︎‼︎‼︎

 

いや史実でも確か2メートル近く身長はあったけどでっかいなマジで。そして何だこの3大欲求詰め合わせは………

 

全裸で抱き合って神器錬成ってなんか卑猥だな…というか力士(素手)のはずなのに神器錬成必要なのか?まわしになって肉体強化or防御力アップみたいな効果付与するのかな?

 

闘技場は相撲みたいな感じになってんな

 

無類力士:雷電為右衛門登場ッッッッ‼︎‼︎‼︎

 

さっきまでの変態っぷりがどこ行ったのか、クッソかっけえなおい

 

そして

 

破壊神シヴァ、念願の登場ッッッッ‼︎‼︎‼︎

 

シヴァもかっけぇ〜〜〜‼︎‼︎‼︎

 

そして始まる第5試合‼︎‼︎

 

シヴァの家族の皆様の応援すげえな笑

 

そして雷電塩を撒く

 

一方神側ゼウス様とロキは殺気ムンムン闘気バリバリでどっか行きました。怖え

 

そして試合は初手は雷電が行った‼︎‼︎何の技繰り出すのかなぁ〜〜?🎶

 

飛び蹴り(ミサイルキック)

 

相撲関係ないやんけ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎お前力士じゃなかったんか⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎

 

あ、泣き腫らし顔のアレス兄さんお帰りっス

 

真正面から顔に食らったせいでよろけるシヴァ

 

「こりゃあ待ったかいがあったぜ🎶」

 

楽しそう。まあ、闘い大好きそうだしなぁ

 

雷電また仕掛ける‼︎‼︎

 

雷電のパンチをシヴァが止める‼︎‼︎

 

と思ったら雷電ロシアンフック‼︎‼︎‼︎‼︎

 

お前力士じゃなかったんか⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎(2度目)

 

あまりの威力に膝をつくシヴァ

 

そんなシヴァの頭持って膝蹴り食らわそうとする雷電‼︎‼︎‼︎

 

雷電の膝蹴りを4本の腕を使って止めるシヴァ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎ウホオイ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

 

さらに4本の腕を生かした変則巴投げ‼︎‼︎‼︎‼︎(巴投げって何?)(あとで調べるか)

 

一進一退の攻防で初っ端からアクセル全開で楽しませてくれるなァッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎最高だぜ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

 

シヴァと雷電のバトルで湧いてるそんな会場を後にするなんかチャラい神?人?こんなやついたっけ?

 

ロキ「待ってたよ…釈迦くん」

 

ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎

 

釈迦チャラッ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎

 

何この釈迦めっちゃチャラいじゃんどこぞのヤンキーみたいな感じやぞ⁉︎タンクトップに「USACHAN」とか書いてあるし⁉︎チャラ⁉︎現代文明に影響されすぎでしょ⁉︎⁉︎これが仏さん⁉︎⁉︎坊さんこれ見たら目ん玉飛び出て気絶しそう

 

というかこのタイミングで釈迦が登場ってこちらも沖田総司と同じく早いな

 

釈迦「したいの?喧嘩…」

 

そして釈迦は武闘派だった

もうヤンキーじゃんこの釈迦

 

顔がもうヤンキーじゃん。そしてロキも殺気ムンムンでやべえ雰囲気

 

一方試合では実に楽しそうなシヴァ

 

その一方雷電はあまり楽しくなさそう。

 

雷電「ったくどいつもこいつも、なんでこんなもん(喧嘩)が…好きなんだろうねぇ…」

 

なんか意味深。過去に何かあったのかな?勝ちすぎて喧嘩がつまんなくなったトールと似たパターンか?

 

シヴァ「強さ比べ(喧嘩)が嫌いな野郎(男子)なんざ俺ぁ知らねぇぜ‼︎」

 

クソでか主語だけどまあ間違ってはなさそう

 

雷電「浮かれてるところ…悪いんだが…」

 

「解放(あけ)るぜ?」

 

え?まさかのパワーアップするパターンですか⁉︎⁉︎というか何を解放するんだ⁉︎⁉︎

 

そして雷電過去編へ

 

筋肉強すぎて立ったら骨が折れるとかヤバすぎだろ…骨が強くなかったどっかの捌倍娘って感じかこれ…そしてそれを抑え込む為に新たに筋肉:百閉を作り出すとかやばすぎだろ…筋肉を筋肉で抑え込むとか脳筋にも程があるだろ…というか筋肉で筋肉抑え込めたんだ…

 

で、胸を掴んでぐるんと回したら百閉が解除されるわけか…

 

どういう原理?

 

というかなぜそうすれば百閉解除されるって雷電は知ってんだ?本能?

 

そして筋肉でブクブク膨れ上がる雷電。なんか刃牙のオリバみたいだな。刃牙知らんけど。あとはゼウス様か。

 

そしてここで神器錬成の効果発動‼︎‼︎‼︎

 

なるほど‼︎‼︎全力を出すために暴れる筋肉を外部から押さえ込む目的で神器錬成したのか‼︎‼︎‼︎‼︎こりゃうまい‼︎‼︎‼︎この発想はなかった‼︎‼︎‼︎‼︎作者めちゃくちゃ頭いいなマジで‼︎‼︎‼︎‼︎

 

雷電「まあ…あれだ」

 

「壊れんなよ」

 

破壊神に向けてこのセリフッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎

クゥ〜〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎シビれるね〜〜〜〜〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎‼︎

 

そして場外ではロキと釈迦がバッチバチ

神器錬成の威力に疑問を持ったロキが釈迦に問い詰める

 

ロキ「キミって裏切者?」

 

ロキこっわ

 

笑顔が怖いわ。クソ怖え。というか裏切りの神であるこいつが裏切者って言うの少し面白いな

 

釈迦「だったら何?」

 

ロキ「殺す」

 

こっっっっわ

 

この2柱怖すぎだろ。メッチャバチバチ火花飛ばしてますやん。殺気も闘志もエグすぎだろ

 

そんな中登場天界処刑人:七福神

 

福の神なのに処刑人かよ。やべえな

 

そして神側の13柱のうちの1柱:毘沙門天ここで登場‼︎‼︎強そう

 

というかこの巻めちゃくちゃ新キャラ出過ぎてません?何があった???

 

七福神これ完全にヤクザじゃん…

 

「仏っ殺す‼︎」ってセリフ確かに合ってて吹いた

 

裏切者の容疑をかけられてる釈迦を庇う…

 

と思いきや自分の獲物宣言するロキ

 

やっぱ怖えこいつ

 

釈迦「どうでもいいからさぁ」

 

「喧嘩(や)んならさっさと喧嘩(や)ろうよ」

 

本気モードの釈迦。完全に武闘派のセリフ。あれ?あなたそんな人でしたっけ?もっと平和な教え現世に残してなかったっけ???

 

しかし釈迦1人だと流石にキツそう

 

と思いきや

 

「どうも…多勢に無勢ってのは好きじゃあなくてね」

 

佐々木小次郎‼︎助太刀いたす」

 

小次郎ォォォォォォォォォォォォォォォ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎(大歓喜)

 

というか小次郎出てきたとかこれ釈迦とワルキューレ側グルじゃん

 

「みんなで遊ぶなら僕もまぜてくださいよ」

 

ここでまさかの沖田総司乱入ッッッッ‼︎‼︎‼︎

近藤さんもバカでかい刀持ってやる気満々

 

七福神&ロキ、沖田総司&佐々木小次郎&釈迦、両陣営臨戦態勢‼︎‼︎‼︎‼︎

 

ロキ「戦争(や)ろうか?」

 

釈迦&小次郎&沖田

「いつでも?」

 

試合もアツくなってきたってのに場外戦もこれまたクソアツくなってきやがったなぁッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎こっからどうなんのかオラワクワクが止まらねえッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎早く9巻が読みたい‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎12月まで待ち遠しいッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

 

 

 

俺の青春と恋の話(小学4〜6年生まで)

[前回までのおさらい]

楓からバレンタインチョコもらった

 

ホワイトデーが過ぎ、終業式を終え、春休みに入った。春休みに入る前、楓は「この春休み期間はいろいろあって児童館行けないかも」と言っていた。そして実際そうで、春休み期間中はほとんど楓とは会わなかった。それでも楓から貰った手紙を読み返しながら、4月になり4年生になってまた会える日を楽しみにしていた。

 

4月に入り、4年生としての最初の登校日の前日。俺は夢を見た。その夢の中には3年の時に仲の良かった友人数名と楓が登場した。俺は目が覚めた後、これは何かの間違いだと必死に夢の内容を否定したくなった。なぜなら原理はよく分からないが俺はこの頃クラス替えがある時の前日に見る夢の中に登場した友達とは絶対に一緒のクラスになれないという一種の予知のようなものができていたからだ。

 

「嘘だ…楓と離れ離れになるなんて嘘だ…これはただの夢だ…3年に上がった時にこの夢見て、夢に出てきた友達がみんな違うクラスになったのはただの偶然だ…これはただの夢だ…」

 

俺はそう思いながら嫌な予感を抱えて4年生として初めて登校した。

 

外れて欲しかった嫌な予感はものの見事に的中した。残念ながら俺の予知夢は正確だった。俺は楓とは違うクラスとなった。ショックだった。

 

クラスが別になってからというもの、楓との仲は廊下ですれ違った時に挨拶するくらいのものとなってしまった。児童館は3年生で卒業するという決まりがあったため、楓との接点はほぼ皆無となってしまった。それでも俺は楓のことが好きなままだった。また5年生で同じクラスになれることを祈って4年生の1年間を過ごした。

 

5年生に上がった。俺の祈りは届いたようでまた楓と同じクラスになった。しかし、1年間離れていたのは大きく、楓との間には少し距離ができたように感じた。そしてこの頃から「ちゃん付け」「君付け」ではなくお互いを呼び捨てで呼ぶようになった。

 

1年間離れて距離ができたとはいえもともとかなり仲が良かったため、それほど仲が悪いというわけではなく、どちらかというとお互い1番仲のいい異性という認識だった。班が一緒になったり授業中や休み時間だったりした時は普通にいろいろなことを話していた。

 

そんなある日、小学生にとっては一大イベントとも言うべき席替えが行われた。この時の席替え方式は男女分かれて交互に出席番号順に好きな席を選んでいくというものだった。当たり前のことだが俺は楓の隣の席を狙っていた。そしてこの時、幸運なことになんと俺の番が回ってくる2〜3人前までの時点で楓の横の席は誰も座っていなかった。俺の心臓はバクバクと激しく鼓動し、顔はニヤけるのを抑えるのに必死だった。

 

「もしかしたら楓の隣の席になれるかもしれない」

 

そう思いながらただひたすらに自分の番が来るまで楓の隣の席が埋まらないことを祈っていた。

 

とうとう次が俺の番というところまで来た。まだ楓の隣の席は埋まっていない。俺は心の中で勝利を確信した。

 

「次は〇〇君」

 

俺の前の順番の友達が先生に呼ばれ、席を選んだ。そいつはなんとあろうことか楓の隣の席に座った。

 

「…え?」

 

なんと直前の直前で楓の隣の席は埋まってしまったのだ。つい数分前まで激しく鼓動していた俺の心臓はスンと一気に静まり返り、必死に抑えないとすぐ上がってしまう口角は今や何もしなくとも下がったままであった。あんなに熱かった顔の熱はどこかに消え去り、「期待」は「絶望」へ、そしてその友達への「怒り」へと変わった。俺の番が回ってきた時、俺は少しムスっとした感じで適当な席にドカッと座った。もはや楓の隣でなければどの席でも同じだと思えた。

 

「あれ?あゆと君、前も私の隣だったことあったよね?」

 

隣の席の女子が言った。そんなこと忘れるくらいに絶望と怒りで軽く我を忘れていた。

 

そんなこんなで秋になり、5年生の一大イベント:野外活動が迫ってきた。野外活動は3日間行われるが1日目は楓とは別の班となってしまったが、2日目は同じ班で行動することになった。そして2日目の夜にはキャンプファイヤーを5年生みんなで囲んでマイムマイムを踊ることとなっていた。なんとこのマイムマイムで俺の左側には楓がいることが判明した。楓の隣にいれる。この事実がわかった時とてもドキドキしたのを覚えている。

 

野外活動前に体育館でマイムマイムの練習を行った。楓が隣にいるだけでもう幸せだった。そんな時、先生は言った

 

「はーい、では隣の人と手を繋いでくださいねー!」

 

「…え?」

 

この時マイムマイムとはどういうものなのか全く知らなかった。ただキャンプファイヤーの周りで踊るだけだと思ってた。しかしどうやら隣の人と手を繋ぐ振り付けがあるとのことだった。

 

「嘘…だろ…」

 

心の中でそう呟いた後思わず楓の方を見た。楓も「本当に?」みたいな驚きと困惑の表情を浮かべながらこちらを見ていた。俺は手をズボンでゴシゴシ拭いた後楓の方に恐る恐る手を出した。楓も手を出し、俺たちは無言で互いの手を見つめ合いながら近づけて、そして手を握った。楓の手は柔らかく、少し暖かく、そして少し湿っぽかった。手を繋いだままマイムマイムを踊ったがはっきりいうとマイムマイムなど踊ってる場合ではなかった。心臓はバクバク音を立て、顔は耳まで熱くなり、頭の中は興奮と緊張と歓喜で何も考えられなかった。ひたすらにニヤけるのを抑えるので精一杯だった。恥ずかしくてとてもじゃないな楓の方を見ることなんて出来なかった。

 

マイムマイムを踊り終わった後、俺たちは静かに手を離した。俺は恥ずかしくて楓の方を見ることができなかった。ただ、左手には楓の手の温もりと感触がしっかりと残っていた。

 

これが俺の覚えている中で1番最初に楓と手を繋いだ記憶である。

 

そしてとうとう野外活動が始まった。初日は登山だが楓とは別の班であったため会話は全くなかった。そして2日目、この日はオリエンテーションで少年自然の家の周囲に隠されたひらがなを見つけ出すみたいなことをやった。それと同時に俺たちにはもう一つミッションが与えられた。それは3日目の色紙に落ち葉を貼ってオリジナル色紙を作るという活動に必要な綺麗な落ち葉を数枚取ってくるというものだった。俺はこのことを聞いた時、絶対に綺麗なもみじの葉を使おうと決めた。

 

そしてオリエンテーションが始まり、俺たちの班はいろんなところをうろうろして平仮名を見つけようとした。一方俺はというと平仮名探しには全く興味なく、そちらはほぼ班員に任せっきりで俺は班員の後ろをついていくだけで、落ち葉拾いの方に集中していた。綺麗な落ち葉は2枚見つけた。しかし綺麗なもみじの葉だけはどうしても見つからず、もみじを拾っては捨て、もみじを拾っては捨て、拾っては捨て、拾っては捨てをひたすらに繰り返していた。そんな様子を見ていた楓が言った

 

「ねえ、あゆと。あゆとってさ、なんでもみじばかり拾ってるの?」

 

俺は言うしかないと思った。俺は足元にたまたま落ちていたもみじを1枚拾い上げ、茎のところを持って指でくるくる回しながら言った

 

「なあ、知ってるか?楓。もみじってさ、木の名前じゃないんだぜ?葉っぱの名前なんだぜ。このもみじのなる木の名前ってさ、楓って言うんだぜ」

 

そう、俺は綺麗なもみじ、つまり楓、君を色紙に閉じ込めたかった。だから俺は綺麗なもみじをずっと探していた。そしてこれはもはや告白だ。非常に遠回しではあるがもはや告白であった。

 

「ふ〜ん」

 

楓はそういうとまた前を向いて歩き出した。俺はというと「まあ、伝わらんよな」と思いながら手でいじっていたもみじを放り投げて楓たちの跡を追った。そして、最終的にとびきり赤くて綺麗なもみじを俺は見つけることができた。

 

そしてその夜、キャンプファイヤーの時間がやってきた。しかしこの直前、友達の1人が「〇〇さんの近くにいるのやだ〜‼︎」と突然ゴネ出し、しょうがないのでマイムマイム始まるまでそいつと俺の場所を交換していた。

 

「いいか、マイムマイムの時は戻るんだからな」

 

「わかったよ〜」

 

そう言いながら1列でキャンプファイヤー会場に向かった。ところがキャンプファイヤー会場に着いていざ元に戻ろうとしたら

 

「やっぱ〇〇さんと手を繋ぐのやだ〜!」

 

と言い出した。

 

「おいちょっと待て約束と違うだろ‼︎とっとと変われ‼︎」

 

「だって〇〇さん僕と繋ぐの嫌だとかいうんだもん〜」

 

「うるせえ‼︎約束は約束だいいから変われ‼︎」

 

「え〜…」

 

どうにかして変わろうとした瞬間

 

「そこ!何やってるの⁉︎変わるのなら早く変わりなさい‼︎」

 

先生に怒られてしまい、変わるタイミングを逃してしまった。そして結局楓の隣に行けないままマイムマイムは始まってしまい、楓とは手を繋げなかった。

 

3日目の色紙作成もうまくいき、こうして野外活動は終わった。この野外活動以降も楓との中は変わらず良かった。

 

「ほぼ告白したようなもんなんだけど楓には分からなかったか〜…」

 

そう思いながら数ヶ月過ぎた頃。楓とはまた同じ班であったため、掃除当番も一緒であった。みんなが先帰り、俺と楓の2人で後片付けをして、前日に見たバラエティ番組の話をしながら廊下を2人で歩いていた。ある程度話してネタが尽き、しばし沈黙が俺たちの間を流れた。楓のそばは居心地が良いため、この沈黙もそこまで苦ではないからそのままお互い何も話さず歩いていた。その時当然楓は俺の方を見て微笑みながら沈黙を破った。

 

「好き」

 

突然の出来事に俺の頭の中は全て吹き飛び真っ白になった。あまりに衝撃的なその言葉は俺の思考の全てを奪い、フリーズし、何も考えられなくなった。多分人生で1番頭が真っ白になったのはこの時だと思う。頭が真っ白の状態で1秒ほど過ぎ、やっと頭が再起動を始めた。しかし、再起動した頭の中を占めていたのは「混乱」だった。

 

「…え⁉︎今なんて言った⁉︎好き⁉︎好きって言ったよね⁉︎確かに⁉︎え⁉︎好き⁉︎マジで⁉︎え⁉︎楓が俺を好き⁉︎⁉︎え⁉︎え⁉︎俺も好きなんだけど⁉︎え⁉︎両思い⁉︎⁉︎え⁉︎マジで⁉︎⁉︎え⁉︎」

 

混乱の極みである。それは仕方ない。昔からずっと好きだった子に当然好きと言われたのだからこうなるのも無理はない。こんな混乱した状態でさらに1秒経過し、少し頭は落ち着きを取り戻し始めた。

 

「え⁉︎楓が俺を好き⁉︎嘘⁉︎嘘でしょ⁉︎嘘かな⁉︎いや楓結構嘘つくの得意だしいやでもどうなんだろう嘘なんかな」

 

そう考え込むことさらに1秒。そうして俺の口から絞り出した言葉は

 

「…嘘でしょ?」

 

これのみであった。俺としては「本当に?」みたいなニュアンスで発したつもりではあったが、言葉選びが絶望的にアウトであった。これのみだと「俺のこと好きっていうのは嘘でしょ?」とも取れてしまう。ここで弁解をすればよかったのだが、俺は混乱の極みであったため、この一言を発するので精一杯で「嘘でしょ?」と言った後、また互いの間には沈黙が横たわった。そしてそのまま教室に入り、互いの席に向かった。

 

翌日以降、楓との仲には変化はなかったが、どちらもこの出来事に関しては触れなかった。そうして5年生が終わり、6年になった。6年でもまた楓とは同じクラスになり、5年の時と同じような感じで1番仲のいい異性として過ごしていった。

 

5年のあの時、もし「俺も好き」と答えていれば俺と楓の関係はもっと特別なものとなっていたのかもしれない。今とはもっと違う結果になったのかもしれない。もはや終わってしまったことだから取り返しがつかないのはわかっている。でも、どうしてもそう思ってしまう。あの時、「俺も好き」と答えていれば、楓と付き合うことができたのじゃないか。未だにそう思って止まない。

 

これが俺の人生においてたった2つしかない「後悔」のうちの1つである。

 

 

能登半島の奥地までジェラート食いに行った話(後編)

[前編のおさらい]

ジェラート食いに行った帰りにちばチャリ死亡

 

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「なんてこった、まさか、ここでチャリがパンクするとは…」

 

今までの長距離旅(金沢、能登島)ではチャリがパンクすることはなかったので完全に油断をしていた。そのためパンク修理セットなんてものは持ってきてなかった。

 

「うーわ、マジでどうしよう…」

 

この時点で富山市まで60〜70キロほど。歩いて帰るとなると1日以上かかる。それはごめんだ

 

「とりあえずここでクヨクヨしててもしょうがない。チャリ押しながら1メートルでも先に進むか」

 

パンクしたチャリを押しながら西岸駅を出発。とりあえず七尾市中心部を目指すことにした。七尾市中心部に行けばワンチャンチャリを修理できるし、もしかするとヒッチハイクで富山まで行けるかもしれないと考えたからだ。

 

夜道をチャリ押しながらノロノロ歩くこと数十分、コンビニにたどり着いた。とりあえずそこのコンビニで朝飯を買いエネルギー補給をした。

この時俺は閃いた。

 

「ここのコンビニならヒッチハイクいけるんじゃね?」

 

というわけで早速コンビニに止まってたトラックに突撃

 

「あ、すいませ〜ん(爽やかスマイル)!どちらまで行かれます?僕ちょっとチャリで旅してるんですけどチャリパンクしちゃって笑。僕富山に行きたいんですけど富山方面に行かれるのでしたら乗せていただきたいなぁと思いまして!」

 

「あ〜、ごめんね〜荷物いっぱいなんだわ」

 

「あ、そうでしたか〜いや〜すいません!失礼しま〜す」

 

初戦敗退である。現実は甘くない

 

どうするかな〜とコンビニに戻り店内うろうろしてまた外出た次の瞬間、遠くから車がやってくるのが見えた。猛烈ダッシュで道路の脇に駆け寄りよく見るヒッチハイクする時のポーズをやった。近づいてきた車はトラックだった。トラックは最初速度を緩めなかったがだんだんと緩め、とうとう俺の目の前に止まった

 

「おう、どうしたん?」

 

トラックのおっちゃんが言った

 

「いや〜すいません(爽やかスマイル)!僕今チャリで旅してるんですけどチャリがさっきパンクしてしまいまして〜!乗せていっていただけないかなぁと思いまして!」

 

おっちゃん「あ〜すまんのぉ。助手席今荷物でいっぱいなんだわ。乗せたいのは山々だがな。ちなみにどこまで行きたかったの?」

 

「富山まで行きたいんですけどそっち方面行かれます?」

 

おっちゃん「俺金沢方面なんだわ。金沢でいいなら乗せられるかもしれないんだけどなぁ」

 

「あ〜、そうですか。いやあすいません引き止めてしまって!本当にありがとうございました!」

 

おっちゃん「こっちこそすまんな。頑張れよ!」

 

そう言っておっちゃんは去っていった。しかしこれで希望が生まれた。

世の中にはヒッチハイクに答えてくれる優し人がいるんだ。

つまり下手な鉄砲数打ちゃ当たる理論使えばいつかは乗せてくれる人に会えるってわけだ。

 

というわけで気を取り直してとりあえずコンビニ出発し、七尾市中心部に向かった。途中何度も俺を追い越していった車に対してヒッチハイクをするも基本スルー&さらに先にあったコンビニでもヒッチハイクチャレンジするもあえなく失敗。

 

「やはり現実は甘くねえな」

 

なんてことを考えながら数キロほど歩いた時、また車が近づいてきたのでほぼヤケクソ状態で例のヒッチハイクポーズをやった

 

「どうせこの車もスルーするだろ」

 

予想通り俺を無視して速度緩めずに俺の真横を通り過ぎた。

 

「ほうら、やっぱりな」

 

と思った次の瞬間、何とその車が前方20mくらいのところで止まったのだ‼︎

 

「うお‼︎マジか神様ありがとう‼︎‼︎」

 

俺はチャリを押しながら全力でその車に駆け寄った

 

おっちゃん「おうどうした?」

 

「いや〜すいません(爽ry)!僕今チャリ旅してるんですけどチャリがパンクしてしまって、途中まで乗せていただきたいなぁと思いまして。ちなみにどちらまで行かれるつもりでした?」

 

おっちゃん「いや、ちょっとそこまで卵買いに。君はどこ行きたいの?」

 

「とりあえず七尾市中心部まで行きたいなぁと」

 

おっちゃん「おおいいよ。乗りな」

 

まさかのヒッチハイク大成功である。捨てる神あれば拾う神あるんだなぁとしみじみと実感した

 

しかし乗るにあたって問題が1つあった。チャリをどうするかだ。おっちゃんの車は少し小さめのものだったためチャリがどうしても積めない

 

おっちゃん「う〜ん、入らんなぁ。どうするか…あ、そうだ!ちょっと君先助手席に座って」

 

「あ、はい」

 

指示に従い助手席に座る

おっちゃんは車の後ろのドアを開け、そこにチャリを突っ込んだ。

 

おっちゃん「君、チャリのどこか掴んでて」

 

「あ、はい」

 

俺はチャリのハンドルを掴んだ。おっちゃんは後ろのドアを閉めずにそのまま運転席に座った

 

おっちゃん「よし、このままチャリ押さえながら行くぞ」

 

 

お い ち ょ っ と 待 て

 

いくらなんでも破天荒すぎやしませんか?後ろのドア開けっぱですよ?正面から見たら分からないけど後ろから見たらチャリが「こんにちは」してますよ?これ大丈夫?警察来たらやばくない?

 

ツッコミどころ満載だがツッコまれてるのはチャリだけにしとこうと思い何も言わなかった

 

おっちゃん「警察来ないこと祈るばかりだな!ガハハ!まあ、こんな夜中にいるわけないと思うけどな!」

 

「そうですね〜」

 

豪快にも程がある。でもマジでありがたかった。マジで警察くるんじゃねえぞと祈りながら出発

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この時点で七尾市中心部まで10キロあった。この間おっちゃんとこの旅の話、大学の話、その他諸々色々話した

 

おっちゃん「若いっていいねえ。そういう無茶できるのは若いうちだけだからな」

 

「そうですね〜」

 

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そんな話をしながらチャリを片手で押さえながら10分ほど走って七尾駅に到着。駅に到着する頃にはもう腕がプルプルしててあと少し遠かったら間違いなくチャリは車から落ちていただろう。そんなレベルだった

 

「本当にありがとうございました‼︎‼︎」

 

おっちゃん「おう、気をつけてな」

 

俺はおっちゃんの車が見えなくなるまで深々とお辞儀をした。人の善意ってやつに触れた。俺もこういう風に人に親切にしていきたいなぁと思った。

 

気を取り直して、さあ、ここからどうするか。どう帰るか。Twitter上であーだーこーだ呟いていたら道の駅とかそういうところならヒッチハイク成功率高いんじゃないかという情報を得た。よし、これだ。パンクしたチャリを押しながら道の駅能登食祭市場を目指した

 

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歩いて数分、道の駅に到着。止まってる車はあまりいなかったがひたすら突撃してみる。そして惨敗に終わる。そんなことをずっとしてた。場所を変えて七尾駅前でやってみたり大きな道路でやってみたりもしたが漏れなく惨敗。ぴえん

 

結局道の駅に戻ったが、戻る頃には朝日が登っていた

 

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なんか車の数増えてたのでこれ幸いにと突撃しまくる。

 

「あ、すいませ〜ん(ry)!どちらまで行かれますか?僕ちょっと(以下略)」

 

おっちゃん「あ〜、すまんの〜、俺富山と反対方向なんだよなぁ〜。富山方面なら乗せてやったんだけどなぁ〜」

 

「あ〜そうすか〜〜」

 

その後このおっちゃんとはなんやかんやで意気投合しいろんな話をした。途中、新潟に向かう車があったけど数分前に出ていったことを教えてもらった。タッチの差であった。惜しかった…そして最後に

 

「今君の持ってるペットボトル、ほぼ中身入ってないやん!ほれ、この水やるよ。頑張れよ!」

 

なんか水もらった

 

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人の善意ってやつに触れた(本日2回目)。人間、捨てたもんじゃないなと思った(何目線だよ)

 

一向にヒッチハイクは成功しないし部活の時間は近づいてるしかなりやばい状況だった。

 

チャリを置いて電車で帰るか

 

部活休んでチャリ直して帰るか

 

究極の選択だった。

結論としては電車で帰ることにした。七尾駅にチャリを置き、セブン銀行から金を下ろし切符を買って電車に乗った

 

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さらば七尾市。またチャリ取りに戻る

こうして俺は七尾市を後にした

 

ちなみにこの時ふと気づいたが、俺の服は汗が乾燥して塩が浮き出ていた

 

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どれほどこの旅が過酷だったかがよく分かる。その後俺は部活に間に合い、部活をし、ゆっくり休息を取って翌日また電車で七尾市に向かい、チャリを修理し、

 

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雨降る中

 

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カッパ着て富山に帰ってきた

 

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で、その後旅のシメとして10キロチャリ漕いで魂心家に行くというアホなことをした。旅終えた後の魂心家が美味いこと美味いこと

 

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[結論]

人に親切にしようね!あとパンク修理セットは必須だよ!

 

 

終わり‼︎

能登半島の奥地までジェラート食いに行った話(前編)

 

 

 事の発端は7月の終わり、マルガージェラートの紹介をしてバズったツイートを見たことだった。調べてみると富山市からはジャスト100キロ(最短距離で)。過去に日帰りで176キロをママチャリで駆け抜けた事のある俺にとっては200キロの大台に乗るいい目標であると考えた。

 

「よし、夏休み中に1日かけて行ってみよう」

 

こうして夏休み中にマルガージェラートに行くことが決定した

 

 

 そして1ヶ月後、特に予定のない8月26日月曜日、本当は朝6時に出発する予定だったが寝坊して結局8時に出発した。この2時間の予定の遅れのせいでこの後散々な目にあうということをこの時は知る由もなかった…

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まずスタート地点は富大の正門前。俺の旅は大体ここから始める。格好は背中に「旅に出ます。探さないでください」と書かれたネタTシャツと短パン。長距離ママチャリ旅用のガチ装備だ。

 

 天候は晴れ、降水確率もゼロ、気温もいい感じ。最高のスタートであった。順調に走っていたが信号運だけは最悪だったようで通過する信号はことごとく赤。はっ倒すぞゴルァ。赤信号に中指立てまくりながらチャリを漕ぎまくること1時間半、雨晴海岸に到着

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空は青く澄み渡り、雲もいい感じで実に夏らしく、おまけに海も澄んでいて海に入ったら気持ちいいだろうなぁと思いながらわずか10分たらずで立ち去る。そしてここから怒涛のファンファーレ無限ループ垂れ流ししながらチャリを飛ばす

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理由としては雨晴海岸を含めたこの辺りはアニメ版「君の膵臓をたべたい」の聖地であるから(ファンファーレはキミスイのOPで使用。めっちゃ好き)。ここに来ると景色がいいのも相まってテンション上がるわ泣きそうになるわでとりあえず最高。

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きっちり聖地巡礼その2。実にいい景色だ。ここから海沿いのサイクリングロードをファンファーレ聴きながらノリノリで爆走した。晴れた夏の日に海沿いを走るのはマジで最高。めちゃくちゃ爽快で気持ちいい。

 

 そうこうしてるうちに氷見市に入り、県境を目指しさらに海沿いをずっと走る。そして雨晴出発から1時間後

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 県境に到着。この後すぐに山登りが待っているので堤防の上でパンや飲み物飲みながら少し休憩した。この時下見たらめちゃくちゃ海の水が透明で綺麗だった。

 

 飲み食いし終わってチャリにまた乗り、行きの道最大の難関:山登りにいよいよ挑戦である。ルートはこんな感じ

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 海沿いをまたしばらく走り、山道の入り口に向かう。この間少しスピード抑えて体力を温存した。そして山道の入り口が見えた

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いよいよ山登り開始である。最初は「あれ?こんなに楽だったっけ?」などと余裕ぶっこいてたが途中から一気に坂がきつくなり、とてもじゃないがチャリから降りて押さなければならなくなった。あの坂はマジで死ぬほどキツかった…もうあの道二度と通らねえ…。そんなこんなで何とか山を乗り越え頂上までたどり着いた

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 見渡す限り森。電波が全く入らずTwitterもまともに出来ないので、水分補給したら速攻で山下り開始。山登りの時はあれだけ「もう二度と山登りなんてやるもんか…」とか考えていたが、山下りの時の俺の脳内を占めていた感情は「快感」であった。

「キェェェェェ‼︎ヒィィィィィハァァァァァァァァァァーーーーーーーッ‼︎‼︎」

基本ブレーキをかけず、位置エネルギーを全部運動エネルギーに変換し、その超スピードに身を任せ、誰もいないし迷惑にもならないので全力で奇声を発しながら坂道を下る。最高に爽快であり、必死に山登ってきた苦労が全部吹っ飛ぶほどの快感であった。この時は「これだから山登りはやめられねえぜ‼︎」などと30分前とは全く正反対のことを思っていた。

 

 山下りで得たスピードに身を任せ、そのまま七尾市街に突入し、そこで一旦昼飯を食べることにした

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昼飯は空いていたのでモスで食べた。肉の旨さが体に染みて最高だったが、塩分が足りないせいでポテトは今ひとつ物足りない味だった。ケチャップあったらよかったなあ

 

 昼飯を食べ、近くのドラッグストアでエネルギー源と水分を買い、目的地であるマルガージェラートに向けてまた出発した。

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今年のGWの時に行った能登島を通過する最短ルートで行った。モスバーガーから出発して少し経ち、能登島大橋の近くまで来た

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能登島大橋を渡り、数ヶ月ぶりの能登島に上陸

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今回の目的は能登島にはないので速攻で能登島を後にする

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 能登島を後にし、10キロほど漕いで、駅があったのでその駅でトイレ休憩も兼ねて休憩をとった。

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俺が休憩するために訪れたこの駅は何かのアニメの聖地?だったらしくなかなかいい雰囲気だった。ここでモバイルバッテリーでスマホを充電したり壁に貼り付けられていた能登半島の地図を見てルートを確認したりして休んだ

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メッセージボードがあったのでちゃっかり落書き笑

休憩が終わり、20キロ先の目的地を目指して出発。途中穴水町内を通ったんだが、あそこ実にいい雰囲気だったから今度また観光しに行きたい。

 流石に80キロ+山越えは足にかなりこたえたっぽく、10キロほど進んだだけでかなり疲れるようになった。さらにラスト10キロの中には山越えも含まれているため、残り10キロの地点で最後の休憩を取ることにした

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水分や塩分補給タブレットを食ったり飲んだりして体を出来るだけ万全な状態に戻した。そしていよいよ最後の山登り開始である。普通の体力MAX疲れもなしなら難なく超えられそうな坂であったが90キロ+山越えしてきた足にはかなりきつかった。でも何とか1回も降りずに無事登り切ることに成功

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頂上についたのであとは目的地まであとは降るだけ。やっとここまで来れたという達成感に身を任せまたまたノーブレーキで坂を降る。そしてついに

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マルガージェラートの看板を発見!目的地はもう目の前!そしてこの看板からちょっと進んで、目的地であるマルガージェラート本店を目視

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17時11分、出発から9時間、総距離106キロをママチャリで走破しマルガージェラートに到着‼︎やっと着いた〜‼︎長かった〜‼︎

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そんな長距離を漕いだ後に食ったジェラートは格別だった。あれほど美味いジェラートは今まで食ったことがないってレベルだった。もうひたすらに美味いの一言に尽きた。

 ジェラートを食いながら休憩して、帰りのルートも調べ、18時くらいにマルガージェラートをあとにした。1時間ほどたっぷり休憩したし、美味いジェラート食ったからか帰りはつい1時間半前ヒーヒー言ってた山を難なく越えることができた。しかし、足へのダメージは少なくなく、山を降ったあとさっきと同じところで休憩せざるを得なかった

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そこで沈みゆく夕日を見て、これは夜に山越えることになるかなと覚悟した。もし朝2時間早く出ていればこの時点でまだ4時半。山越える時にちょうど日が沈む計算であった。完全に失敗した(そもそも何で寝坊したのに朝の8時にいこうと思った)。まあ、今あーだこーだ考えても仕方がないので少し休憩してその後出発した。

 

 ここからが問題であった。足の体力はそこまで限界というわけではない。足のダメージもやばいレベルではない。なのになぜかチャリが重い。時速10キロほどしか出せなかった。とりあえずそんなわりとボロボロの状態だったが根性で20キロ走り、西岸駅にたどり着いた。ここで休憩して出発しようかと思ったが、夜に山越えるのはなんか危険な気がしてきた。さらにこの西岸駅、駅にあるベンチにフカフカの座布団がひかれていた

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俺は思った

 

「これ、ここで寝れんじゃね?」

 

さっきまでの足の調子や今が夜という事実などを踏まえるとここで仮眠して朝日が昇る頃に山越えした方がいい気がしてきた。というわけで人生で初めて駅に泊まることにした

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ベンチに横になり、持ってきていたタオルを腹や足にかけて20時半ごろ、就寝。8月ということもあってかなり暖かく、タオルだけでも十分気持ちよく寝れた。そして午前2時半、起床。寝るときは駅の電気が付いていたがその頃にはもう電気が切れてて真っ暗であった。スマホの明かりを頼りに持ってきてたお菓子やらを食べてエネルギー補給。その後ストレッチをして足のダメージチェック。6時間も寝たからかコンディションはかなりよく、ダメージも疲れもほとんど回復していた。

そして午前3時ごろ、西岸駅を出発

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周りに明かりがないせいかこの時見た星空は過去最高クラスに綺麗だった。さーて!足の調子はなかなかいいし、部活のある10時前には富山に帰るかー!そう思いながらチャリを持ち上げて向きを変えた。地面にチャリをドン!と置いた瞬間

 

「プニ」

 

後輪の異変に気付いた。

「…プニ…?」

まさかと思った。

「とりあえずこれは気のせいかもしれないから後輪の状態を直接触って確かめてみるか。どれどれ…」

 

「プニプニ」

 

あ、これ完全にパンクしてるわ

 

 

[次回予告]

やめて!こんなところでパンクしたら富山に帰れなくなっちゃう!

お願い、死なないでちばチャリ!

あんたが今ここでパンクしたら、これからどうやって富山まで帰ればいいの?

時間はまだ残ってる。何か方法を考えれば、一緒に富山に帰れるんだから!

 

次回「ちばチャリ 死す」 デュエルスタンバイ!

 

 

俺の青春と恋の話(保育園〜小3まで)

前回の復習:転園した先の保育園で俺は楓と会い、一目惚れをした

 

 その保育園に通い始めてからというもの、俺は楓が遊んでるところによく混ぜてもらい、一緒に遊ぶようになった。楓はよくおままごとをして遊んでおり、この頃の俺は今とは違ってそこまで運動が好きではなかったため、室内でよく一緒におままごとをしていた。

 楓と一緒に過ごしているうちに楓の家が俺の家からかなり近いということが分かった。徒歩数分でたどり着ける距離だった。好きな人と家が近いというのはなかなか嬉しいものだった。

 

 そうして一緒に過ごして1年が経ち、俺らの家は同じ学区であるため必然的に同じ小学校に入学することになった。そして俺と楓は同じクラスとなった。さらに俺も楓も放課後は児童館に行っていたので、最初のうちはクラスでも児童館に向かう時でも俺たちは基本一緒に行動していた。俺たちは児童館に行っても変わらずおままごとをして遊んでいた。時々常に一緒にいる俺たちをからかう声もあったが、特には気にせず一緒にいた。一緒にいることが嬉しく、そしてとても居心地が良かったからだ。

 

 しばらくして楓にもクラスの友達ができ、俺にもできたためクラスではあまり一緒に行動しなくなった。しかし相変わらず児童館に行くときは一緒に行っていた。そこではいろんな話をした。

 

 ある日、楓は俺にこう言った

「ねえ、あゆと君。いつも帽子かぶってるけどさあゆと君ってどういう風な被り方が似合うんだろうね?」

「確かに。いつも僕つばを前にして被ってるけど、他の被り方も似合うのかな?」

「ちょっと私が見とくから被り方変えてみて!」

「分かった」

そうして俺はつばを横にしたり後ろにしたりまた前にしたりといろんな被り方をして楓に見せた。

「う〜ん、やっぱりあゆと君はつばを前にして被った方が似合うね!」

「そっか、なるほどね」

俺は内心これから一生帽子はつばを前にして被っていこうと決めた。

 

 2年生に上がるときはクラス替えがなかったため必然的に楓とまた同じクラスであり、児童館へもまだ通っていたため1年生と同じく児童館に向かうときは一緒に向かっていた。また1年生の時と同じく他愛のない話をしながら児童館に向かっていた。そしてそんなある日楓はこう言った。

「ねえ、あゆと君。あゆと君って、好きな人、いる?」

とてつもなくドキっとした

「え⁉︎いや、まあ、いるっちゃいるけど…」

「え⁉︎誰⁉︎誰⁉︎」

君だよ、なんていう勇気はなかった

「いや、まあ、それは、その…」

「同じクラスの子?」

「うん」

「じゃあクラスの中で好きだと思ってる子第5位から教えて!」

「ええぇ…」

内心動揺しっぱなしだった。好きな人から好きな人いるかと聞かれたのだから。しぶしぶ特に好きじゃないけど可愛いかなと思う子を4人ほど上げた

「で、第1位は⁉︎」

楓はキラキラした目でこちらを見つめていた

「え、え〜と…〇〇ちゃん」

ここで俺はクラスで2番目に好きな子の名前をあげた

「ふ〜ん、そうなんだ〜」

楓は少しガッカリしたような声でそう言った。というか言えるわけないだろう。1番好きなの君だって。2番目に好きな子の千倍は楓のことが好きだって。1位の遥か上、もはや殿堂入りレベルのところが君の順位だなんて。

そんなこんなで俺らはまた1年間、他愛のない話をしながら、思いを伝えないまま児童館に向かう道を歩き続けた

 

 そして俺らは3年生となった。この時俺の弟が小学校に入学してきた。俺のブラコンぶりはこの頃もすでに健在で、弟が入学して以来登校も下校も児童館へ行くときもあらゆる場面でずっと弟と一緒にいた。そのため、楓とはクラスで話したり児童館で少し遊ぶ程度になってしまった。それでも楓との仲はかなり良かった

 

 そして年が明け、2月になって、バレンタインデーを迎えた。一昨年去年と楓からはチョコを貰ってないので今年もどうせもらえないだろうなぁなどと思いながら弟と一緒に登校した。教室に入り席に着き、ランドセルを開けて教科書等を出して授業の準備をしていたら、楓が俺の席に来た。

「ねえ、あゆと君。放課後、ちょっと、いい?」

「え?う、うん…」

「ありがとう!じゃあ放課後ね!」

俺はよっぽどのバカではないし今日が何の日かもしっかりと分かっていた。間違いない、これは楓からチョコもらえる。つまり、楓は俺のこと好きなのかもしれない。そう思った。その日の授業はとてもじゃないが全く集中できず、しかし時間はあっという間に過ぎて放課後となった。俺はその週掃除当番じゃなかったので楓の班の掃除が終わるまで廊下でブラブラしていた。途中弟が来たので「兄ちゃん、ちょっと用事あるから先行ってて」と言って弟を先に児童館に向かわせた。期待と嬉しさを抱え、にやけるのを必死になって押さえ込み、心臓をただバクバクさせて待った。顔がかなり熱かった思い出がある。掃除はなかなか終わらず、実際はそこまで時間はかかってないと思うが、体感時間的には何時間も待ったような気がした。

「おまたせ」

「お、おう」

掃除が終わって楓が帰りの支度を終えて俺のところに来た。

「はい、これ」

そう言って楓は俺に紙袋を渡してきた。

中を見るとハート型の容器が入っている。間違いない、チョコだ。受け取って紙袋の中を見た後俺は楓を見て、楓も俺をずっと見てて、お互い目があって恥ずかしそうに笑った。とんでもなく嬉しかった。多分この瞬間は人生の中でトップクラスに幸せだった。好きな人からチョコがもらえたのだ。はっきりいうと嬉しいどころの騒ぎではない。しかしこの時俺は1つ問題を見つけた。「このまま持ってたら学校の先生や児童館の先生にバレて取り上げられてしまうんじゃないか」

ランドセルはすでにパンパンでとてもじゃないがチョコを入れる余裕はなかった。そこで俺はその日が金曜日であることを利用し、上履き入れの奥底にチョコを隠し、その上にさらに物を詰め込んで隠し、肝心の上履きは持ち手輪っかに通して、この状態でチョコを運ぼうと考えた。

 

 その後2人で児童館に行った。気恥ずかしさのためかお互い口数はあまり多くなかった。でも幸せで何も言わなくてもこのまま一緒にいるだけで十分だった。

「なあ、これ(持ち手の輪っかに上履きをぶっ刺してある上履き入れ)バレるかなぁ」

「大丈夫だよ、きっと」

そんな会話をしながら、あまり喋らず、とうとう児童館に着いた。

「どうしたのそれ?」

児童館に入った瞬間先生に予想通り上履き入れのことを聞かれた

「いや、ちょっと今日持って帰らなきゃいけないものが多くて、でもランドセルには入りきらなかったのでこれに入れたんです」

「ふ〜ん、そっか」

そういって先生は去っていった。俺は思わず楓を見て、楓も俺を見てお互い「やったね!」と言わんばかりに笑った

 

その後無事に家までチョコを持って帰った。夕飯を食べ、風呂から上がってすぐそのチョコの容器を開けた。中にはハート型のチョコが何個か入っていた。とても美味しそうだった。チョコを食おうとしたが、何かとてももったいない気がして結局賞味期限ギリギリまで食べなかった。

 

1ヶ月が経ち、ホワイトデーを迎えた。俺は楓にお返しをあげた。キーホルダー付きのクッキーをあげた。そしてこの時は児童館ではなく普通に2人で一緒に家に帰っていた

「ねえ、あゆと君。チョコ、美味しかった?」

「え?あぁ、うん、美味しかったよ」

嘘だ。この時点でまだチョコの賞味期限はきてなかったので食べてはいなかった。本当にあまりにもったいなくて食べてなかった

 

その後、楓からはホワイトデーのお返しにと手紙をもらった

「家に帰ってから読んでね」

そう楓が言ったので律儀に守り、家に帰って夕飯を食べ、風呂から上がった後、両親には内緒でこっそりその手紙を読んだ。そこにはクラスのヒーローヒロインとかいう朝の会の時とかに1人1回くらいやるコーナーで俺を紹介しなかったけど色々とカッコよかったということ、俺が4年生からピアノ習うからピアノ教えて欲しいということ、これからも仲良くしてねということが書かれていた。好きな人からもらった初めての手紙。俺はとても嬉しく、幸せでこの手紙を大切に保管した。

 

その後やっと俺は楓からもらったチョコを食べた。そのチョコはどうやら少し大人向けなようで、いつも食べてる甘ったるい板チョコとは違く、少しほろ苦く、そして甘く、とても美味しかった。好きな人からもらった初めての本命チョコ。あの味は今でもしっかりと覚えている。

俺の青春と恋の話(プロローグ)

天気の子観終わったし、自分の中でこの物語を最近になってやっと「恋」から「思い出」に変えることが出来て、自分の中で決着をつけることが出来たからそろそろ頃合いだと思ったのでこの話をする。

 

この物語の始まりは実に16年前、俺が保育園の年長の頃まで遡る。

年長になった4月、俺は母親に手を引かれ、とある小高い山の中腹にある保育園に連れられて行った。この少し前、俺たちの家族は引っ越しをすることになり、その関係で俺は転園をし、4月から新しい保育園に通うことになっていた。その日はその保育園に初めて訪れる日だった。

「ねえ、ママ。ここどこ?」

「ここはね、これから通うことになる新しい保育園だよ」

「ふーん…」

俺はそのまま母親に手を引かれ、保育園の正門へと繋がるちょっとした坂道を登った。この保育園のそばには桜の木があり、坂道を登る俺らに花びらのシャワーを浴びせていた。あの光景はとても綺麗で、今でもよく覚えている。そして俺らは正門を通り、建物の1番左側の棟に向かった。その棟にある下駄箱に靴を入れ、ガラスの引き戸からその建物の中に入った。入ると、そこはどうやら教室のようで部屋の奥の隅っこに先生が2人、その目の前に多数の児童がいるのが見えた。うまく聞き取れなかったが、先生は何かを喋っている途中であった。

と、次の瞬間、児童の1人が俺らの存在に気付き、それから1秒もしないうちに児童全員が俺らを見た。そしてさらに次の瞬間児童たちは一斉にこちらに向けて走り出し、瞬く間に俺を包囲して質問責めにした。

「お名前は?」

「誕生日はいつ?」

「好きな食べ物は?」

たくさんの人に囲まれ様々な質問をぶつけられ、こんな事初めてでどうすればいいのか、どの質問からまず答えればいいのか、ひたすらに混乱しながらオロオロとしていたところ

パンパン!

先生が手を2回叩いた

児童は一斉に先生の方を見た

「コラ!みんな!困ってるでしょ!楓ちゃんを見なさい!お行儀よくしてるでしょ!」

多数の児童の隙間から俺も先生のいる方向を見ると、たしかに先生の前に1人だけ女の子がちょこんと体育座りをしていた。そして、その子はゆっくりとこちらを見た。その様子はひたすらに可憐で綺麗で美しく、そして可愛かった。この瞬間俺は人生で初めての一目惚れをした。一瞬で心が奪われた。胸が一気に高鳴った。新生活の不安など消し飛んだ。お互いまともに知らないのに俺はその楓という女の子のことが好きになってしまった。

 

これが俺と俺の幼馴染兼好きな人 楓の出会いである